その5 車窓
石丸謙二郎といえば
ほとんどの人が「世界の車窓から」を思い出す。
デンライナーを思い出す人も
SASUKEを思い出す人もいるかもしれないが
やはり「世界の車窓から」であろう。
あの番組は、
おおよそ荒野だか山中だかを映していて
それはそれは素晴らしい車窓を紹介してくれている。
(食堂車で和気あいあいとしている乗客の姿を映す回もいいものである)
私はというと
専ら日本の車窓限定、
さらに在来線の車窓が好きである。
できれば各駅停車で駅の風景も見てみたい。
生活感あふれる街中をずいずい進んでいく。
やたらファミマが並んでいたり、
グラウンドで野球部が練習していたり、
駅と駅のはざまに忽然とラブホが現れたり、
観察していると
沿線ではあるが普段は車中心の生活を送っていそうだったりするトコロもある。
そうすると、
「手近で済ませるならこのマツキヨを使うか」「おかずに困ったらこの丸亀製麺で天ぷら買うだろうな」「ここにステーキハウスってのはどうだろう?」
と要らぬ心配をしてしまう。
要らぬことこそ楽しく、
またそれを考えているうちにコックリ寝落ちしてしまったりして、また気持ちよかったりするものである。